言葉の森を、歩いていこう

本と将棋が好きです。備忘録的な意味合いが強いですが、何かコメントをいただけると励みになります。

2014-10-17から1日間の記事一覧

蜷川幸雄の稽古場から

蜷川幸雄は小林秀雄と似ていると勝手に思っている。 人、特に若者の才能を引き出そうと懸命な点。 そのやさしさに包まれた厳しさ 透徹した人間・世界理解 それに基づく独自の世界観 偉大な先輩の遺産、どうにかして分け前を少しでも自分にも・・・と一瞬考え…

謎とき 村上春樹 再論

小説にはいくつか執筆意図があるように思うが、こと夏目漱石や村上春樹といった小説における意図に関連して。 石原が提示する「謎とき」としての小説読解は、ことこの二人(竹山道雄、三島由紀夫、平野啓一郎もこれに加えていいのではないかと思う)に適合的…

悲劇人の姿勢

西尾幹二の根幹となっているであろう人物(小林秀雄、福田恒存、ニーチェ他)についてまとめた作品であり、当然のごとく力作である。 ただ、自分には不可解なのが、彼らの明快な論をあえて小難しく明晰ではありつつも迂遠な形で記述しているように映る点。 …