言葉の森を、歩いていこう

本と将棋が好きです。備忘録的な意味合いが強いですが、何かコメントをいただけると励みになります。

2014-10-01から1ヶ月間の記事一覧

蜷川幸雄の稽古場から

蜷川幸雄は小林秀雄と似ていると勝手に思っている。 人、特に若者の才能を引き出そうと懸命な点。 そのやさしさに包まれた厳しさ 透徹した人間・世界理解 それに基づく独自の世界観 偉大な先輩の遺産、どうにかして分け前を少しでも自分にも・・・と一瞬考え…

謎とき 村上春樹 再論

小説にはいくつか執筆意図があるように思うが、こと夏目漱石や村上春樹といった小説における意図に関連して。 石原が提示する「謎とき」としての小説読解は、ことこの二人(竹山道雄、三島由紀夫、平野啓一郎もこれに加えていいのではないかと思う)に適合的…

悲劇人の姿勢

西尾幹二の根幹となっているであろう人物(小林秀雄、福田恒存、ニーチェ他)についてまとめた作品であり、当然のごとく力作である。 ただ、自分には不可解なのが、彼らの明快な論をあえて小難しく明晰ではありつつも迂遠な形で記述しているように映る点。 …

music portraits

NHKのミュージックポートレイトが好きで、真似をして別のブログを始めてみました。 こちらは何というか、割と普通に文章を載せていくつもりです。 よろしかったら併せてそちらもよろしくお願いします。 music portraits music portraits

啓発録

橋本佐内15歳の作。すばらしい気概。見習いたいものですね。

自戒

・軽々しく言葉を使っていないか。軽率なる言葉は発したそばから自分を他人を傷つける凶器と化す ・相手を思いやっているか。思いやり寄り添わなば、言葉は届かず奈落へと沈み込む ・発した言葉は回りまわっていつか自分に還ってくる。心して言葉を記せ。語…

Salyu

以前ファンだったもののしばらく遠ざかっていて、最近また触れるようになってみると、ずいぶんと様変わりしたように感じました。 プロデュースが変わったとか何とか小耳にはさみましたが。 まだろくに聴いていないのですが、第一印象は前の方が好みだったか…

言葉はさんかくこころは四角

くるりの曲。いい歌ですね。 僕のイメージだと言葉は「四角」でこころは「まんまる」(そういえば昔ニャースが世界のどんなまるよりとか歌ってましたね)といった感じを漠然と思っていたのですが、冷静に見れば心はいくら言葉と対比したところでまんまるなは…

人生の価値について

人生に価値があるとしたら、それは自分の存在によって泣いていた誰かを笑顔にすることができうるからだ、とか何とか。 それはさておき、西尾幹二『人生の価値について』について。 とてもよくまとまっていて、納得・共感しつつ読み進めることが出来たように…

twitter

ついったー始めました。 アカウントはここと同じく@kamakura_abcです。 目下試運転中。 世界中の様々な人たちの言葉、写真、映像、、、が溢れていて、刺激的な反面頭がクラクラしてきそうです。 差分としては、こちらが本のメモが大半を占めるのに対して、向…

漢文脈と近代日本

斎藤希史先生による「近代日本のことばと漢詩文とのかかわり」についての本。 漱石や小林のつながりで漢文の世界に触れる必要を感じたので読み返している。良著。 著者は「爆問学問」にも参加していたようなので、見つけたらそちらの本も手にとってみたいと…

詩歌

小林秀雄『本居宣長』は歌について次のように言及している。 「宣長は、「歌といふ物のおこる所」に歌の本義を求めたが、既述のように、その「歌といふ物のおこる所」とは、即ち言語というものの出で来る所であり、歌は言語の枠であると考えた事が、彼の歌学…

漱石書簡集

特に明治34年のあたりのものを興味深く読んだ。 「僕はね、留学生になって何も所得はない。少しは進歩したと思って考えて見ても(ママ)心が許さんから仕方がない。自惚るより少しはよいかも知れぬ。」 「近頃は英学者なんてものになるのは馬鹿らしいよう…

内と外からの夏目漱石

平川祐(示右)弘先生による夏目漱石論。 とても平易かつ明晰に書かれている。 テーマも大変興味深い。 明治日本が生んだ「文士以上の知識人」に迫るものとして、この上ない一冊と期待して読み進めています。

Habu Yoshiharu

Habu has written numerous books, articles, etc. on shogi and various other topics. The vast majority of these works are in Japanese, but a few have been written especially for non-Japanese readers. Below is a select list of Habu's works. B…

海街diary

2015年映画化とのこと。 色々とテーマを読み込むことも、単純に世界を楽しむこともできるいい作品だと思う。 映画はあまり期待しすぎずに見守っていけたらと思います。 浅野すず役が広瀬すずさん。とてもかわいらしくて元気でイメージぴったりですね。

中島みゆき

名曲揃いだけど、僕が特に好きなのは次の3つ。 地上の星、銀の龍の背に乗って、糸。 いずれしっかりと読みを入れていきたいです。

ゴーゴー幽霊船

最近知った米津玄師の歌。 すごいですね、彼。 でも、感服はしません。できません。嫉妬しました。

いろは歌

〈羽生名人 誉れ咲き 群立つ尾根ゆ 迂路越えて 奥へと分け入る その知恵や 縫ひ成す寄せに 神もあり〉 これ、いろは歌になってるらしいです。 柳瀬尚紀作、引用は先に紹介した『対局する言葉』から。 すごすぎる・・・

ヒカルの碁

久しぶりに読んで、泣いた。 あれは名作ですね。 ライバルと師の存在、成長、師との別れ、旅立ち・・・ そして咄嗟に「碁」の字が書けなくなってる自分に涙目。。。 You support me now, and I support you now So let's wander and live towards the future…

卓球 石川選手

先日、卓球の石川選手を取り上げたテレビ番組(情熱大陸)を見ました。 その中で石川選手が言っていたことで印象的だったのが2つ。 ・卓球の試合が終わったあとに一番疲れるのは頭。戦略を考えて頭をフル回転させているので、頭のおでこの奥のあたりが「す…

「本居宣長」をめぐって 対談

江藤淳と小林秀雄の対談(というよりは小林秀雄に江藤淳が質問をしに出向いた、という印象のもの)から、『本居宣長』理解の上で有益に思えた箇所、自分がなるほどと思った箇所を抜粋してみます。 小林 「碁、将棋で、初めに手が見える、勘で、これだなと直…

本居宣長

評論家小林秀雄の代表作からいくつか抜粋。 まだ全然読み切れていませんが。。。 「「蓋し先王は、言語を以て人を教ふるに足らざるを知る、故に礼楽を作りて、以てこれを教ふ」とある、―その言語とは、この空言巧言の意味であり、先王は言語を軽んじていた、…

Shape Of My Heart

Stingの代表曲のひとつで映画LEONの主題歌としても有名です。 僕はこの曲が好きで、男の悲哀を感じさせる歌詞の意味をどうにか理解したいと思っていました。 その参考になりそうな記事を見つけたので以下に。 Sting (from a 1993 promotional interview): "I…

日本語の森を歩いて

フランス・ドルヌ+小林康夫『日本語の森を歩いて フランス語から見た日本語学』 副題のとおりの内容ですが、これがすごく面白いです。 すこし長くなりますが、引用してみます。 「「行ってきます」―子どものときから何度となく朝、家を出るときに口にしてい…

ray

もうかれこれ10年以上前からBUMP OF CHICKENの曲は聴いていますが、この曲ほど衝撃的だったものはないです。 ray -livetune cover- (Presented by BUMP OF CHICKEN) livetune feat.Hatsune Miku - 歌詞タイム 「悲しい光」「透明な彗星」などの歌詞を聞い…

糸谷先生から見た羽生善治

将棋世界の最新号で糸谷先生のインタビューが載っている。 その中で印象的だったのが糸谷先生から見た羽生善治の棋士像。 曰く、「読みが深く」「他の人が手を絞って考えてしまうところを狭めず広く読んでいる」「直観的な手は少ない」といったもの。 また、…

謎とき 村上春樹

石原千秋による村上春樹論。 冒頭に提示される小説観が印象に残ったので抜粋。 「小説を読むことは謎ときをすることだ。謎がたくさん隠されていて、それを読者が読みとく。それが小説を読むことだ。もしすべての謎がとかれたら(もちろん現実にはそんなこと…

キャッチャー・イン・ザ・ライ

村上春樹訳の「ライ麦畑でつかまえて」("Catcher in the Rye")。 「『キャッチャー』には、村上自身が小説のなかで確立した文体や、文章世界が実践されており、翻訳の専門家や文学者による文芸翻訳とは異なる、一種の「完成型」が提示されている」(藤元由…

対局する言葉

棋士の羽生善治と英文学者の柳瀬尚紀の対談。 小林恭二の解説にもあった通り、羽生・柳瀬両氏の「話の噛み合わなさ加減」に「ピュアなもの」を感じました。 若島正氏といい、英文学者には将棋と縁が深い方が多いですね。何か似た思考方法のところがあるので…